なぜ矯正治療で痛みを感じるのか？

矯正治療を始めた方がよく抱く疑問のひとつが「なぜ矯正は痛むのだろう？」という点です。その理由は、歯を動かす仕組みにあります。ブラケットやマウスピース型矯正装置（アライナー）などによって歯に持続的な力が加えられると、歯は少しずつ理想的な位置へ移動していきます。この過程が歯並びを整え、美しい笑顔をつくりますが、その途中で一時的な痛みや違和感が生じることがあります。

歯が動く仕組み

治療中に感じる痛みや圧迫感は、矯正がきちんと進んでいる証拠です。歯に加えられた力は「骨のリモデリング」と呼ばれる反応を引き起こします。歯が動くと周囲の骨がそれに適応し、新しい位置を支えるように変化します。この骨の再構築によって歯が少しずつ動いていくのですが、とくに治療の初期には不快感を伴うことがあります。

痛みを和らげるための工夫

矯正治療を少しでも快適に進めるために、以下の方法をおすすめします。

• やわらかい食べ物を選ぶ：治療開始直後や調整直後は、歯に強い負担をかけないようスープ、ヨーグルト、やわらかい麺類などがおすすめです。

• 矯正用ワックスを使用する：ブラケットやワイヤーが頬や歯ぐきを刺激する場合、ワックスを装置に塗ることで摩擦を減らし、口内炎や痛みを和らげます。

• 市販の鎮痛薬を利用する：痛みが続く場合は、一般的な鎮痛薬を服用することで楽になります。服用前には必ず担当の矯正歯科医にご相談ください。

まとめ

矯正治療に伴う痛みや違和感は一時的なものであり、治療がきちんと進んでいる証拠です。時間の経過とともにその不快感は軽減し、その先には整った歯並びと健康的な口もとが待っています。大切なのは、結果を楽しみに前向きに治療に取り組むことです。矯正歯科医の指示を守りながら、快適で効果的な治療を進めていきましょう。