歯がデコボコになる理由

歯の並びが乱れる原因はさまざまですが、その中でも大きな要因の一つは、人類の進化に伴うあごのサイズの変化です。昔の人類は、すべての歯がしっかり収まる大きさのあごを持っていました。しかし長い年月をかけて、食生活や生活習慣の変化により、人間のあごは徐々に小さくなってきました。

特に柔らかく加工された食べ物が増え、強い咀嚼を必要としなくなったことで、あごが小さく変化してきました。その結果、歯が収まるスペースが不足し、歯が重なり合う「叢生（そうせい）」と呼ばれる状態が起こりやすくなったのです。

叢生（歯のデコボコ）の原因

叢生の原因は 歯の要因 と 骨格の要因 に分けられます。

• 歯の要因

　• 歯の要因過剰歯（余分な歯）が生えてい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　る場合

　• 歯のサイズが異常に大きい、または小さい場合

　• 乳歯の早期喪失後、適切な保隙装置を使わずに放置した場合

• 骨格の要因

　• あごが小さいために十分なスペースが確保できない場合

　• 上下のあごの位置関係がずれている場合

このような場合、歯が並ぶスペースが不足し、叢生が起こります。

叢生の治療方法

• 矯正治療（歯列矯正）：最も一般的なのは矯正装置（ブラケットなど）を使った治療です。歯に少しずつ力をかけて正しい位置へ動かしていきます。治療期間は叢生の程度によって異なり、数か月から数年に及ぶことがあります。

• 上顎拡大（急速拡大装置）：あごの幅を広げる「拡大装置」を使い、上顎の骨を少しずつ広げて歯が並ぶスペースをつくります。特に成長期のお子様に効果的な方法です。

• 外科的矯正（顎矯正手術）：骨格的なずれが大きい場合には、手術によってあごの位置や大きさを調整します。機能面（噛み合わせや発音など）の改善だけでなく、フェイスラインの見た目も整える効果があります。

まとめ

叢生（歯のデコボコ）は、歯が並ぶスペース不足によって起こる歯列不正です。原因は歯そのものにある場合と、骨格にある場合があり、矯正治療・拡大装置・外科的矯正など、症例に応じた方法で改善できます。正しい治療を受けることで、健康的で美しい笑顔を手に入れることができます。